昔昔、タイの田舎の地方におじいさんとおばあさん、そして一匹のニワトリと、その七匹の子供のヒヨコが幸せに暮らしていました。
良い食べ物をお坊さんに差し上げたいと考えたおじいさんとおばあさんは、何年もかけ一生懸命育てたニワトリを殺して料理を作ることに決めました。
その話し合いを、たまたまニワトリは聞いてしまいました。
七匹の子供を置いて死ぬのは怖かったけれど、長年育ててくれた世話になったおじいさんおばあさんに恩返しするため、料理になることを決めました。
その夜、ニワトリは、七匹のヒヨコに死ぬことを告げ、
七匹を強く強く抱いて眠りました。
翌日、まだ眠っている七匹のヒヨコをそっと起こさぬまま、お母さんニワトリは、おばあさんに連れられ、とうとうお坊さんに出す料理のため殺されて火にかけられました。命失うぎりぎりまで、七匹のヒヨコ想い涙流しました。
しかし、七匹のヒヨコは静かに母のあとを追い、火に飛び込んだのです。何も言わずに。悲しいけれど、母の愛を追ったのです。
恩人に恩返しをしたニワトリと、誰よりも母の愛情を強く思うヒヨコ達は、お母さんと共に生まれ変わって、夜空に輝く星、『愛』と『恩』の証拠になりました。
THE END