お父さんへ
お父さん、俺が生まれてから、一度もお父さんに手紙を書いた事がないね。ちょっと変な気持ちになるかもしれないけど、聞いて下さい。
お父さん、うちの家族は大家族ですね。お父さんが5人の子供もいて、僕が末子として生まれました。お母さんは専業主婦で稼いでなかったので、お父さんが区役所で役人を勤めて助かりましたね。給料はちょっと少ないけど、ちゃんと5人の子供を育てられて、本当にえらいだと思います。
その苦労した分は、きっとお父さんしか分からない大変さが経験された記憶があると思います。この家族は辛いことは沢山があったけれど、だけどねお父さん、子供の頃の大変なことと困難なトラブルは今となって、僕にとって、それはかけがえのない人生の経験だと僕は感じます。
その苦労した分は、きっとお父さんしか分からない大変さが経験された記憶があると思います。この家族は辛いことは沢山があったけれど、だけどねお父さん、子供の頃の大変なことと困難なトラブルは今となって、僕にとって、それはかけがえのない人生の経験だと僕は感じます。
お父さん、覚えている?
僕が子供の頃に、うちは車がなかったね。学校に通う為にお父さんがバイクで、毎朝送ってくれたね。そのバイクから落ちないように、後ろからちゃんとお父さんのウエストを捕まりましたね。あんな温もりはきっと、もしもうちは車があったら、そんな経験がなかったかもしれませんね。あんな経験ができて、今でも嬉しく感じます。
お父さん、覚えている?
僕が子供の頃、お父さんがよく僕を連れて色んな人の結婚式に参加しましたね。その会場に残っていた料理などを「袋に入れて、持って帰ろう」とよくお父さんに言われましたね。「もったいない」という教えと、その他に「家にいる兄弟のみんなにも、いいものを食べさせてあげましょう〜」と、大事な人への思いやりも教えてくれたね。うちはお金がないおかげで、その「物の大切さ」を身に覚えましたね。
お父さん、覚えている?
僕が子供の頃、お父さんはうちの厳しい経済力について、すまなかったという気持ちで、よく色々なをお話をしてくれましたね。
その中に今でも僕が覚えてるというのは、「お父さんは、他の家族みたいにお金や財産がなくてすまなかった。でも、出来るだけお前らに良い教育を受けさせてあげたい。その為、よく自分で勉強して下さい。その知識はいつかお前の財産になって、そしてその財産を活かし自分で稼ぎなさい !」 その言葉があったからこそ、僕が一生懸命勉強しました。
お父さん、気付いてなかったかもしれないけど、その言葉で、俺はお父さんの為に必死に勉強しました。
タイ国立難関大学「タマサート大」に入学し、卒業時は優等生の成績を残せるまで一生懸命頑張りました。そのすべては、たった一人の息子として、お父さんに喜ばせる行為だと僕が勝手に思っています。
俺はお父さんの自慢な息子になりたい。。。
その後、僕は学んだ知識を生かし、日本まで留学しにこれました。日本に留学後は、大企業に勤めて、家族みんなに良い生活をさせてあげたい希望がありました。
お金を稼ぎ、皆を海外旅行に連れて行ったり、車を買ってあげたり、お父さんに仕事をやめさせて、家で僕の子供を面倒して欲しいです。孫にお父さんが「お祖父ちゃん」って呼ばれるのは、長年の僕の夢でした
お金を稼ぎ、皆を海外旅行に連れて行ったり、車を買ってあげたり、お父さんに仕事をやめさせて、家で僕の子供を面倒して欲しいです。孫にお父さんが「お祖父ちゃん」って呼ばれるのは、長年の僕の夢でした
しかし、来日から12年の今、お父さんを喜ばせたことより謝らなければならないことの方が多いです。夢と違って、今の現実は安定した仕事ではなく、そして家族がバラバラに家を出ていたね。お父さんの面倒さえ側で出来なかった。71歳で一人ぼっちさせて、本当に悪かったと思います。孫もまだなことも全部含めて申し訳なかった。
お父さん、知ってる?
今日は、僕にとって夢が叶った大切な日なんです。「プライベート」ではなくて「お仕事」でタイに戻れたことが現実にとなったんです。
お父さん知ってる?
11年間日本の芸能界に挑戦し、本当に楽しくてしょうがなかった。俺はこの仕事が大好きで死ぬまでずっとやり続けたいと思っている。いつか成功して有名になったら、親戚やお父さんの友達が、うちの名字に気付いてくれるかもしれない。その時、沢山の人たちがお父さんを囲み、「どうやって、あんな立派な息子を育てたの?」と聞いて欲しい。そんな日が来たら、本当の自慢な息子になれるね。心から今でもそう願ってる。
お父さん、知っている?
お母さんが心臓病で突然亡くなった後、その年の「母」の作文コンテストで、僕は賞をとりました。でも、そんな賞をもらってもお母さんはもう居ないと後悔した。もう話す事も、「愛しているよ」という大切な気持ちももう伝えられなかった。喋る事も、書く事も何もかも自分の気持ちを伝えるのは遅かった。僕は本当に悔しかった。親孝行してあげたかった。
最後に、お父さん、知っている?
うちの家族はお金はなかったけど、「お父さん」がいてくれた事がなによりも大切だ。子供のために一生懸命働いて課題を乗り越えてくれた。その恩は、一生涯返すことは出来ないと思う。
お父さん、僕は二度と悔いを残したくない。お父さんの事をどれぐらい大切で愛していて、そんな僕の気持ちを分かって欲しい。まだまだ自慢な息子ではないけど、俺は頑張るね。色々を許してください。
世界一尊敬し、大好きな俺のお父さん。。ありがとう